法人口座の開設時、想像以上の書類の多さに驚いたという声は少なくありません。銀行によって求められる書類の種類や量は異なり、設立直後の法人は事業実態を示す資料が追加で必要になる場合もあります。
提出書類に不備があると銀行とのやり取りが増え、口座を使い始めるまでの時間も延びてしまいます。無駐な手間やタイムロスを防ぐには、提出前に要件をしっかり確認しておくことが大切です。
本記事では、法人口座開設で求められる必要書類や銀行タイプ別の違い、書類の少ないおすすめのネット銀行を解説します。口座開設をスムーズに進めるコツもまとめるので、ひさ最後までご覧ください。
法人口座開設に必要な書類一覧(基本編)
法人口座を開設する際は、まず「法人の実在確認」と「事業実態の確認」のために書類が求められます。ここでは、多くの銀行に共通する基本的な必要書類をまとめました。
全ての法人に共通して求められやすい書類
法人の実在性と代表者本人であることを確認するため、銀行から提出を求められる書類は以下のとおりです。
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本):発行から6か月以内のものが目安
- 代表者の本人確認書類:マイナンバーカード、運転免許証など
- 法人の実印および印鑑証明書:申し込み方法によっては不要になる場合あり
- 事業内容が分かる資料:会社案内、事業計画書、ホームページの印刷物など
これらの書類は多くの銀行で共通して求められますが、店舗窓口とオンライン申し込みのどちらを選ぶかで必要点数は変わります。窓口では確認事項が多く、提出を求められる書類の点数が増える傾向にあります。
オンライン完結型の口座では、eKYCを用いた本人確認が主流です。スマホによる認証を活用することで、登記簿謄本や印鑑証明書の提出自体を不要とするケースも増えています。
設立直後の法人が追加で求められやすい書類
会社を設立したばかりの法人は、まだ事業実態を示す取引実績がありません。そのため、銀行側から契約書・請求書・発注書といった取引の実態を示す資料の追加提出を求められることがあります。
また、独自ドメインの公式サイトの提示を求められるケースもあります。無料ブログやSNSアカウントのみでは、事業の信頼性や実態の証明として弱いと判断されやすいため注意が必要です。
手続きが滞るのを防ぎ、口座開設を短期間で進めるには、設立前後のタイミングで自社サイトを用意するのが効果的です。簡易的なWebサイトであっても事前に準備しておくことで審査がスムーズに進行します。
必要書類の数は銀行タイプによって大きく変わる
法人口座の必要書類は、メガバンク・地方銀行のような店舗型と、ネット銀行のようなオンライン完結型とで、求められる点数に差が出やすい傾向があります。
メガバンク・地方銀行の必要書類
- 求められる書類の点数が多め
- 公的書類は原本(登記簿謄本・印鑑証明書など)の提出が基本
- 事業実態を証明する追加資料(決算書や契約書等)が必要になる場合あり
対面での本人確認や事業内容のヒアリングを行うため、用意すべき書類の点数は多くなりがちです。発行から一定期間内の登記簿謄本や印鑑証明書など、公的機関が発行した原本の提出が基本です。
さらに事業の実態を確認する目的で、会社案内や決算書、既存取引の契約書といった詳細な資料の提示を追加で求められるケースもあります。さまざまな書類の事前準備が欠かせません。
ネット銀行・オンライン口座の必要書類
- 本人確認書類を中心に提出点数を削減
- マイナンバーカード等の読取(eKYC)で原本提出が不要
- 条件を満たせば登記簿謄本や印鑑証明書の提出も免除
スマホでの認証やeKYCの活用により、必要な提出書類の点数が絞り込まれています。代表者の本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証)を中心に、オンライン上で提出が完結する点が特徴です。
代表者自身による申し込みといった条件を満たせば、登記簿謄本や印鑑証明書といった公的書類の提出自体が不要になる口座もあります。ペーパーレス化が進んでおり、用意する書類の負担を軽減できます。
必要書類が少ない法人口座おすすめ4選
書類をできるだけ減らしたいなら、オンライン完結を前提にした法人口座の開設がおすすめです。ここでは、必要書類が比較的少なく、オンライン手続き可能な法人口座を4つ紹介します。
GMOあおぞらネット銀行|代表者申し込みなら公的書類が原則不要

口座維持費用(無料 or 有料) | 無料 |
|---|---|
振込手数料(同行宛) | 無料 |
振込手数料(他行宛) | 通常100円(税込)会員プランで99円(税込) |
ATM利用手数料 | 110円(税込) |
インターネットバンキング手数料 | 無料 |
初期費用(口座開設時) | 無料 |
代表者と取引責任者が同一であれば、登記簿謄本や印鑑証明書の提出が原則不要になる点が魅力です。公的機関で書類を取得する手間やコストを削減できるため、書類準備の負担を軽減できます。
本人確認手続きはスマートフォンでのマイナンバーカード読み取りや自撮り動画(eKYC)で完結します。窓口訪問や郵送手続きが発生しないため、手元に必要な資料があればすぐに申し込み可能です。
用意すべき書類が少ないため、設立直後の法人やバーチャルオフィスを利用する事業者でも申し込みやすい設計です。創業期の多忙な時期でも口座準備をスムーズに進められる魅力的な選択肢といえます。
GMOあおぞらネット銀行について詳しく知りたい方は、GMOあおぞらネット銀行の法人口座とは?特徴と評判、経理を効率化するコツまで解説もあわせてご覧ください。
ドコモSMTBネット銀行|代表者のオンライン申し込みなら本人確認書類のみ

口座維持費用(無料 or 有料) | 無料 |
|---|---|
振込手数料(同行宛) | 無料 |
振込手数料(他行宛) | 145円(税込)振込優遇プログラムで振込件数に応じて最安130円(税込) |
ATM利用手数料 | 110円(税込)※ゆうちょ銀行ATMのみ330円(税込) |
インターネットバンキング手数料 | 無料 |
初期費用(口座開設時) | 無料 |
代表者自らがオンラインで手続きを行う場合、必要書類が代表者の本人確認書類のみに絞られる点が強みです。登記簿謄本や印鑑証明書を別途用意することなく、手軽に申し込みを進められます。
手続きはスマートフォンで本人確認資料の撮影データを送信するだけで完了します。ペーパーレスで手続きが進むため、郵送の手間や原本提出に伴う書類不備のリスクを低減できる点がメリットです。
ただし、代表者以外が取引担当者になる場合は郵送対応が必要となり、オンライン完結や書類削減の対象外となる点には注意が必要です。スムーズな開設を目指すなら代表者自身で申し込みましょう。
三井住友銀行「Trunk」|事業確認資料1点とWeb面談で手軽に開設

口座維持費用(無料 or 有料) | 無料 |
|---|---|
振込手数料(同行宛) | 無料 |
振込手数料(他行宛) | 実質100円(税込) |
ATM利用手数料 | 無料~330円(税込)※ATMによって異なる |
インターネットバンキング手数料 | 無料 |
初期費用(口座開設時) | 無料 |
メガバンクでありながらオンライン完結に対応しており、提出書類が原則「事業内容が確認できる資料」1点のみで済む点が特徴です。契約書や請求書などをアップロードするだけで手続きを進められます。
本人確認は来店の必要がなく、オンライン上のWeb面談によって実施されます。窓口へ足を運んだり大量の公的書類を用意したりする手間をかけることなく、自社にいながらスムーズに手続き可能です。
なお、本サービスは個人事業主や法人格のない団体は対象外となっている点に注意しましょう。メガバンクの信用力と書類提出の手間削減を両立させたい法人にとっておすすめのサービスです。
みずほ銀行「UPSIDER BANK」|ネット入力中心でオンライン完結

口座維持費用(無料 or 有料) | 無料 |
|---|---|
振込手数料(同行宛) | 無料 |
振込手数料(他行宛) | 100円(税込) |
ATM利用手数料 | 無料~220円(税込)※ATMによって異なる |
インターネットバンキング手数料 | 無料 |
初期費用(口座開設時) | 無料 |
みずほ銀行とUPSIDERが共同提供するオンライン完結型の法人口座サービスです。専用の受付フォームへ登記事項情報や代表者情報を入力することで、事前のWeb手続きをスムーズに進められます。
基本はネット完結を目指した設計ですが、事業実態の確認状況によっては登記簿謄本や印鑑証明書の原本追加提出を求められます。あらかじめ主要な原本を手元に準備しておくと手続きがさらに安心です。
みずほ銀行と新規に取引を開始する法人が対象となっている点も事前に確認しておきましょう。大手銀行の取引基盤を持ちながら、オンラインでの書類提出や手続きの簡素化を図りたい法人に適しています。
みずほ銀行「UPSIDER BANK」の公式サイトはこちら →
法人口座開設をスムーズに進める書類準備のコツ
審査のスピードを左右するのは、書類の点数だけでなく「事業実態がひと目で伝わるかどうか」です。無駐な確認連絡や審査の遅れを防ぎ、スムーズに手続きを進めるための具体的なコツを3つ紹介します。
独自ドメインの公式サイトを用意する
口座開設の申し込み前に、自社の公式サイトを用意しておくことをおすすめします。無料ブログやSNSのみでは事業実態の証明として弱いと判断されやすく、銀行からの追加連絡が発生しかねません。
簡易的なWebサイトであっても、独自ドメインで自社の概要や事業内容を明記しておけば、審査がスムーズに進みます。結果的に、手続き期間の短縮につながります。
代表者自身を取引担当者として申し込む
代表者と取引担当者を同一人物にしておくと、提出書類を削減できます。多くのネット銀行では、代表者本人の申し込みを対象にオンライン完結(eKYC)の手続きを提供しているためです。
将来的に複数人で口座を運用したい場合でも、まずは代表者名義で開設手続きを行うのがおすすめです。口座開設後に権限設定を追加する形をとることで、初期の書類提出の手間を減らせます。
契約書や請求書などの取引証憑をデータ化しておく
事業の実情を確認する資料として、取引先との契約書や請求書などの提出を求められる場合があります。日頃からこれらの証憑類を電子データ(PDF等)で保管しておきましょう。
請求書や発注書がデータ化されていれば、追加の資料提出を求められた際にもWeb上で速やかに対応可能です。審査でのやり取りを最小限に抑え、口座利用までの時間を短縮できます。
法人口座開設の必要書類を提出してから使えるまでの流れ
必要書類の準備ができたら、実際の申し込みから利用開始までは、おおむね次のような流れで進みます。
- 銀行の公式サイトから申し込みフォームに法人情報・代表者情報を入力する
- 必要書類をスマートフォンやPCで撮影・アップロードする
- 銀行側の審査(オンライン面談を実施する銀行もある)を受ける
- 審査完了後、口座開設完了の通知やキャッシュカード等が届く
- インターネットバンキングの初期設定を行い、利用を開始する
銀行やプランによって面談の有無やスピードは異なるため、急いで口座を使いたい場合は、オンライン完結を明言している法人口座から検討すると良いでしょう。
まとめ|必要書類を事前に確認してスムーズに法人口座を開設しよう
法人口座開設の必要書類は、履歴事項全部証明書や本人確認書類といった基本書類が中心です。ただし、選ぶ銀行タイプや設立からの時期によって求められる資料や点数は変化します。
手続きをスムーズに進めるには、事前に自社の状況に合わせた書類を正しく整理しておくことが大切です。特に設立直後は事業実態を示す資料が求められやすいため、事前の確認と準備を徹底しましょう。
もし書類の準備に不安がある場合や手間を極力減らしたいなら、必要書類が少ないネット完結型の法人口座がおすすめです。自社に最適な銀行を選び、効率的に口座を開設しましょう。