全銀フォーマットとは、複数の銀行にまとめて振り込みをすることができる標準規格(仕組み)です。
振込先の情報をひとつのファイルにまとめて銀行に送るだけで、複数の振込を一括で完了できるので、請求書の支払いや給与振込で利用されています。
この記事では、全銀フォーマットについて、定義や基本構造などの基本から、作り方まで徹底解説します。
経営者やバックオフィスの担当者など、振込業務でお困りの方はぜひ参考にしてください!
全銀フォーマットとは何か
まず、「全銀フォーマット」の定義と基本的な使われ方を押さえましょう。
全銀フォーマットの定義
全銀フォーマットとは、全国銀行協会が策定した振込データの電子的な記録形式の標準規格です。「全銀ファイル」「FBフォーマット」とも呼ばれています。
1970年代に全国銀行データ通信システム(全銀システム)が整備される中で、企業が銀行に振込データを渡す際の共通仕様として定められました。
「どの銀行でも同じ形式のファイルを送ればよい」という統一規格のため、複数の取引銀行があっても同じ手順で振込処理を完結できます。
全銀フォーマットが利用される主なシーン
全銀フォーマットは、複数の銀行にまとめて振込をするさいに活用できます。代表的な活用シーンとして、「給与振込」「請求書処理」などがあります。
「給与振込」は、社員ごとに給与・経費などの金額や銀行口座が異なります。しかし、これらを全銀フォーマットとしてひとつのファイルにまとめてアップロードするだけで振込が完了します。
仕入れ先や外注先への支払いも同様です。振込件数が多い企業ほど活用メリットが大きくなります。
全銀フォーマットを使うメリット
全銀フォーマットを使う最大のメリットは、何十件・何百件の振込を1ファイルのアップロードだけで一括処理できる点です。
個別に振り込み処理をする場合、1件ずつ口座番号や金額を手入力していく必要があります。振り込み件数が増えると、作業時間が増えるのはもちろんミスのリスクが増大します。
全銀フォーマットによる一括振込なら入力作業が不要なため、振込先の入力ミスも防ぐことができます。また、振込手数料が安いケースも多く、コスト面でもメリットがあります。
全銀フォーマットの基本構造
全銀フォーマットの基本構造について詳しく解説します。
全銀フォーマットのデータイメージ
全銀フォーマットのファイルはPDFや専用ソフトのファイルではなく、拡張子が「.txt」または「.dat」のシンプルなテキストファイルです。
メモ帳などのテキストエディタで開くことができ、中身を開くと、以下のような文字列が並んでいます。
1210000000001カ)フリコム 03150001ミズホ サンノウシテン 7
2001200100012341234567ヤマダ タロウ 0000100000Y
8000001000001000000
9000003
一見何が書いてあるかわかりませんが、各文字の「何桁目から何桁目が何を意味するか」がルールとして決まっています。
全銀フォーマットのデータを構成するレコード
具体的に全銀フォーマットのデータについてみてみましょう。全銀フォーマットのデータには、必ず以下の順番で4種類のレコードが並んでいます。
レコード種別 | 件数 | 主な格納情報 | 備考 |
|---|---|---|---|
ヘッダーレコード | 1件 | 振込元の口座情報・振込指定日など | ファイル全体の基本情報 |
データレコード | 振込先の件数分 | 振込先の口座番号・受取人名・振込金額など | 1振込先につき1行 |
トレーラーレコード | 1件 | 振込の合計件数・合計金額 | 集計チェック用 |
エンドレコード | 1件 | 総レコード件数 | ファイル終端を示す |
先頭のヘッダーが「誰からの振込か」を示し、続くデータレコードに1件1行で振込先情報が並びます。最後のトレーラーで合計を確認し、エンドでファイルの終わりを示す構造です。
イメージとして掲載した全銀データでいうと、1行目がヘッダー(振込元情報)、2行目がデータ(振込先1件分)、3行目がトレーラー(合計)、4行目がエンドに該当します。
1件の振込先につき1行で記録されるデータレコードには、銀行コード(4桁)・支店コード(3桁)・預金種目(1桁)・口座番号(7桁)・受取人名(半角カタカナ20文字以内)・振込金額(10桁)などが含まれます。
すべて半角文字で、桁数が足りない場合はスペースや「0」で埋める固定長形式です。このルールに沿っていないとエラーとなってしまうため注意が必要です。
全銀フォーマットの作り方
それでは、全銀フォーマットはどのように作成すればよいでしょうか。具体的な作り方を3パターン紹介します。
①Excel・スプレッドシートなどの表計算ソフトで作成する
ExcelやスプレッドシートなどにVBA(マクロ)を組み込んで、入力したデータを全銀フォーマットの固定長テキストに変換する方法です。
Office365などを契約していて表計算ソフトが既に使える状態になっている場合、無料で手軽に使うことができるという点がメリットです。
マクロを一度組んでしまえば、半永久的に使い続けることは可能ですが、入力方法を覚える必要がある点や、マクロの知識がある人以外は更新が難しいなど、属人化しやすい点は注意が必要です。
②無料の変換ツールを使う
振り込み件数が増えており、担当者が増えてきた場合、無料の変換ツールを使うことも選択肢のひとつです。
ネットで検索すると、いくつか無料で変換できるツールがでてきます。CSVや独自形式のデータをアップロードすることで全銀フォーマットに変換してくれます。
無料の変換ツールは、手軽に使える反面、外部運営会社にデータを確認されるリスクがあります。セキュリティリスクやツールのメンテナンス状況に注意が必要です。
③請求書管理ツールや給与ソフトから出力する
最後に、請求書管理ツールや給与ソフトなど有料の専用ツールを使う方法です。支払いデータを入力して「全銀フォーマットで出力」ボタンを押すだけで自動生成できます。
専用ツールを使うメリットは、データ作成に必要な請求書受取や給与計算まで対応できることです。振り込み件数が多い場合、最も確実で推奨される方法といえるでしょう。
しかし、基本的には有料サービスとなるため、振込件数が少ない場合は、費用対効果が小さい可能性があります。
その他、「テキストエディタで手打ちする」方法もなくはありませんが、仕様を完全に理解していないとミスが発生しやすく、現実的には推奨されません。数が少なければ、手入力で一つずつ振り込みをしてしまった方が早く正確でしょう。
全銀フォーマットによる振込業務の流れ
全銀フォーマットを使った実際の振込業務はどのような手順で進むのか、全銀フォーマットを作成したあとの振込業務の流れを紹介します。
※詳細はご利用の金融機関公式サイトをご確認ください。
ステップ1: データのアップロード
インターネットバンキングに全銀フォーマット(ファイル)をアップロードします。
このさい、振込メモや、振込日、ファイル形式なども指定します。振込データの詳細を最終チェックし、承認者への承認依頼を行います。
ステップ2: 振込内容の承認
承認一覧画面より、振込データの明細を確認し、「承認」または「差し戻し」を行います。
差し戻しの場合は、理由の入力ができることが一般的で、承認した振込データは実行前まで取消ができます。
ステップ3: 振込の実行
承認された振込依頼は指定した期日に実行されます。実行後、振込結果の詳細を照会し、確認することができます。
振込結果がエラーだった場合、振込先の情報などを修正し、再振込をすることができます。
全銀フォーマットによる振込の注意点
全銀フォーマットを使った振込業務の注意点についてもみておきましょう。
銀行によって有料又はオプションとなる可能性
全銀フォーマットによる振り込みは、有料又はオプションサービスへの加入が別途必要になる場合があります。
全銀フォーマットによる振込をしたい場合、事前に銀行のプランを確認しておきましょう。
件数・金額には銀行で設定されている上限が適用される
銀行ごとに振込ことができる上限が設定されています。例えば、paypay銀行では、1回あたり3万件、1日あたり99回が振込データのアップロード上限となっています。
また、振込金額の上限も銀行・契約者ごとに異なります。特に、大企業や取引先の多い会社は注意が必要です。
操作時間や振込指定日など余裕をもって行う
取引の操作可能時間は銀行ごとに異なります。また、振込指定日は当日以降から30営業日後までなどの制限があります。
全銀フォーマットを作成後は、他の方による承認などのフローも発生します。期日に余裕を持って仕事をすることがオススメです。
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全銀フォーマットをかんたんに出力
フリコムでは、メールなどで届いた請求書をまとめてアップロードするだけで、全銀フォーマットをかんたんに出力することが可能です。
だれでも使いやすい画面デザインになっているので、担当者が変わっても同じフローで業務を継続することができます。
請求書の管理・承認もできる
ユーザーの権限設定もできるため、請求書のデータ管理もかんたんです。担当者ごとに請求書をまとめ、承認・差し戻しをするといった運用もできるようになります。
まとめ|全銀フォーマットを活用して業務効率化!
全銀フォーマットは、給与振込や一括支払いを支える国内標準のテキストファイル形式です。会計ソフトが対応していれば自動出力・一括送信まで効率よく処理できます。
作り方・Excel管理・変換ツールについては各関連記事もあわせてご覧ください。振込業務の工数削減・ミス防止に取り組みたい方は、フリコムの活用もぜひご検討ください。
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